被保険者の収入によって生活している家族は「被扶養者」(従って、生計維持関係のない家族は、被扶養者にはなれません。)として健康保険の給付を受けることができます。 また、健康保険の被扶養者になるには、法律で定められた一定条件を満たした上で、慶應義塾健康保険組合の認定を受けなければなりません。健康保険の扶養家族は会社の扶養手当や税法上の扶養家族とは基準が全く異なりますのでご注意ください。
例外として認められる事由 | 確認書類 |
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@外国において留学をする学生 | ビザ、学生証、在学証明書、入学証明書等の写し |
A外国に赴任する被保険者に同行する者 | ビザ(原則、家族帯同ビザ)、海外赴任辞令、海外の公的機関が発行する居住証明書等の写し |
B就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者 (観光、保養又はボランティア活動等) |
ビザ、ボランティア派遣機関の証明、ボランティアの参加同意書等の写し |
C被保険者の海外赴任中に出産・婚姻等で身分関係が生じた者であってAと同等と認められる者 | 出生や婚姻等を証明する書類等の写し |
健康保険では、被保険者だけでなく、被保険者に扶養されている家族にも保険給付を行います。この家族のことを被扶養者といいますが、被扶養者の範囲は法律で決められており、被保険者と同居でなくてもよい人と、同居であることが条件の人がいます。
また、認定基準にかかわらず、75歳以上の方は、後期高齢者医療制度の適用対象者となりますので、被扶養者にすることができません。
被扶養者として認められる三親等内親族範囲図
※平成28年10月1日より、兄姉の認定条件について、同居の条件がなくなりました。
同一世帯でなくてもよい人
配偶者(内縁を含む)・子・孫・兄姉弟妹・父母等直系尊属
同一世帯であることが条件の人
※在留期間が3ヶ月以上ない場合は認定不可。
※外国人の場合、内縁関係は適用しない。
同一世帯に属する場合
対象者の年間収入が限度額未満であって、かつ、被保険者の年間収入の1/2未満であるときは、被扶養者として認定が可能となります。
同一世帯に属していない場合
上記の認定条件にさらに、被保険者からの仕送り額より少ないときは、被扶養者として認定が可能となります。
※『同居』…同居とは、被保険者とその家族が同じ家の中に住んでいること、かつ、食事や生活の費用等の家計が同一であること、すなわち同一世帯で暮らしていることを指します。同じ屋根の下であっても、世帯分離(同一の住所に世帯主が二人以上)の場合は別居扱いとなります。
同居として認められる例 | 同居として認められない例 |
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仕送り基準額
家族が別居している場合は、認定条件として被保険者が継続的な仕送りで、その家族の生活費のほとんどを主として負担している事実が必要になります。該当家族(被扶養者)へ毎月定期的に下限基準額(人事院標準生計費の1/2)以上かつ該当家族(被扶養者)の収入金額以上の仕送りをしていることが必要です。
尚、被保険者からの仕送り金額より、該当家族の収入が多い場合は、認定対象外となります。
仕送り証明書
被扶養者の年齢 | 収入限度額 |
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59歳以下 | 年収 130万円未満(月額換算で108,334円未満) |
60歳以上(または障がい者) | 年収 180万円未満(月額換算で150,000円未満) |
夫婦は同居して助け合い、扶助し合う義務があることから、強い生計維持関があります。従って、まず、ご両親夫婦の生活実態、生計維持関係を調査した上で、被扶養者の認定対象者が被保険者により、主として生計が継続的に維持されているか否かを判定します。
※夫婦同一世帯の場合には、生活に共同部分(共通経費)がありますので、個人単位と比較して生活費が少なくなるため、夫婦の収入および所得をすべて合算し、限度額を計算します。
※収入の判定基準は、人事院の標準生計費や生活保護基準を基に設定しております。
年齢 | 収入限度額 | 年間収入合算額(夫婦) | 認定・非認定 |
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両親ともに60歳未満 | 130万円未満 | 両親とも認定 | |
130万円以上〜 235万円未満 |
どちらか収入の少ない者のみ認定 | ||
235万円以上 | 両親とも非認定 | ||
どちらかが60歳以上 どちらかが60歳未満である |
130万円未満 | 両親とも認定 | |
60歳未満の者が 130万円以上 |
130万円以上〜 280万円未満 |
60歳以上の者を認定 | |
60歳以上の者が 180万円以上 |
60歳未満の者を認定 | ||
どちらも130万円未満 180万円未満 |
どちらか収入の少ない者のみ認定 | ||
280万円以上 | 両親とも非認定 | ||
両親ともに60歳以上 | 180万円未満 | 両親とも認定 | |
180万円以上〜 325万円未満 |
どちらか収入の少ない者のみ認定 | ||
325万円以上 | 両親とも非認定 |
【参考】
被扶養者となる方の収入は、所得金額ではなく、税金控除前の総収入金額(賞与・諸手当・通勤交通費を含む)で判断します。収入が変動的な場合は、前年度の収入ではなく、直近の収入により推計する場合もあります。
【年間収入の算出方法】
給与収入
{(直近3ヵ月の総支給額の合計 ÷ 3)× 12ヵ月)} +(賞与×支給されている回数)
※給与、賞与とも、税控除前の総支給額。通勤交通費も含みます。
※専従者給与収入の場合は、前年度の確定申告書にて申告した金額です。
個人事業主(自営業者)の場合、収入総額からその事業を営むための直接的な必要経費を差し引いた残りの額が収入額と考え、確定申告における所得金額がそのまま収入とみなされるわけではありません。慶應義塾健康保険組合が認める直接的な必要経費の種類は、「自営業者における被扶養者認定の収入等の考え方」をご確認ください。
自営業者における被扶養者認定の収入等の考え方について遺産相続(継続的な不動産収入等は除く)や退職金などの一時的な収入は除きます。
被扶養者資格認定後も、必要に応じて、定期的または随時、被保険者に対して必要書類等の提出を求めます。そのため、仕送りなどの記録(証明書類)は、必ず保管をお願いします。
定期または随時の調査 の結果、被扶養者資格がないと判定された場合は、被保険者に対しその旨通告し、慶應義塾健康保険組合が定めた日もしくは事由発生日(就職など)に遡って削除します。ただし、故意または悪意による虚偽の記載あるいは申し立てがあった場合は、被扶養者資格を付与した日まで遡って削除となります。その場合は、当該期間にわたって発生した医療費の全額およびその他給付金を過去に遡及して返還しなくてはなりません。